世界最大の登り窯跡が残る陶芸の郷、長崎県波佐見町。
江戸時代にこの地で誕生した波佐見焼は白磁の美しさが突出し、
普段使いの器から美術工芸品までが
中尾山の中腹にある窯元によって生産されています。
ご紹介する「有限会社 一真陶苑」もその一つ。
長崎陶磁展食器部門最優秀賞や
長崎デザインアワード大賞をはじめ
数々の賞を受賞しメディアでも度々取り上げられるこの窯の特徴は、
カップ類はわずか1.8ミリという極限までの薄さと
30種類以上の「カンナ」によって手彫りを施す独自技法「一真彫」にあります。
1回目で軽く削り、2回目に幅を決め、
3回目で深さを調整する技は、
ぎりぎりの厚みを見極める長年の経験から培われたもので、
その透けるような白磁の美しさに独特の陰影を添えるのが、
職人が一点一点丁寧に施す手彫りの技巧です。
同じ種類のカンナを用いても、
入れ方やスピードによってその仕上がりや味わいが
微妙に異なるのもこの一真彫の魅力。
また、カンナの開発にも注力し、
無限大ともいえるデザインが日々職人の手によって生み出されています。
アイデア次第で用途がどんどん広がっていく趣深い一真彫のコップやプレート。
ご自宅用だけでなく、引き出物や業務用にもおすすめしたい一品です。